光学スキャナー

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光学スキャナー

当院では口腔内(こうくうない)スキャナーを使用した、型採りのいらない治療を行っています。

口腔内スキャナーとは、「補綴物(ほてつぶつ)」と呼ばれる、歯の詰めものや被せものを作るときに、
歯の形を小型のカメラで精密に読みとる装置です。
この口腔内スキャナーで撮影したデジタル画像をAIで処理し、コンピューター上で補綴物の設計をして、
CAD/CAMといわれる装置で、材料を精密に削り出していきます。
この口腔内スキャナーは、現在、法律によって保険での使用は制限されており、
主にセラミック、ジルコニア、インプラントなどの、保険外の治療で使用しています。

これまでの治療法の弱点

これまでの治療法の弱点

従来の治療法では、歯のつめ物や被せ物を作るときに、「印象材(いんしょうざい)」と呼ばれる、固まるのに5分前後かかる、味のしない粘土のようなものを口の中に入れて、歯の型を採らなければなりませんでした。
特に、噛み合わせを正確に再現するためには、上下の歯型を採る必要があるので、口の中にこの印象材を入れて、合計10分前後、固まるまで待たなくてはなりません。
そのため、口の奥に異物が入るとむせやすい嘔吐反射のある方など、患者様にとっては、大きな負担となっていました。
しかし、この口腔内スキャナーでは、高性能の小型カメラを使って素早く歯型を採るため、上下の型採りが1~2分程度で行え、患者様の負担が大きく軽減されます。

より虫歯が再発しにくい
補綴物の作成が可能に

この口腔内スキャナーのもう一つの優れた点は、できあがった補綴物と歯の合いが非常に良いことです。

より精度の高い補綴物の作成が可能に

従来の製作法では、印象材でとった歯型に石膏を流し込んで固めて、できた模型をノコギリで分割して、ドリルで余分な部分を削ります。
そして、その石膏模型を元に、「技工士」と呼ばれる技術者が、手作業で、蝋で補綴物の原型を作り、それをまた別の型に移して、高熱で溶かした金属などに置き換えていました。この印象材や石膏、蝋、金属などは、それぞれ、固まるときに膨張や収縮するため、それらを細かく計算して補正しながら、最終的な誤差ができるだけ小さくなるように努めています。しかし、この変形率は、温度や湿度、材料の混ぜ具合などの、その場その場の条件によっても細かく変化します。
このように、従来の方法では、コピーをくり返すように何度も材料を置き換えていき、さらには人の手が加わるため、最終的な補綴物と歯の隙間を一定の値より小さくすることができませんでした。
歯と補綴物の間にすき間があると、そこからばい菌が入って、虫歯が再発しやすくなります。

より精度の高い補綴物の作成が可能に

しかし、この口腔内スキャナーによる治療法では、人の手を介さず、精密な画像データーから直接、コンピューター上でつめ物や被せ物を作るため誤差が少なく、歯との間のすき間が少ない、非常に精度の高い補綴物を作ることができます。そのため、元々汚れがつきにくいセラミックやジルコニアなどの性質と相まって、虫歯が再発する可能性が、格段に低くなるのです。
また、スキャンしたデータは、クラウドで技工所と呼ばれるラボに即時に送信し、途中のステップも少ないため、セットまでの期間も短くなります。
それから、従来の印象材を使用した製作法では、どうしてもある程度の誤差が発生するため、歯に装着するときの調整に、時間がかかっていました。

しかし、この口腔内スキャナーで作成したデジタル補綴物では、歯同士の位置関係も正確に再現され、できあがった補綴物の調整がほとんどいらないため、治療時間も短かくなります。
また、型採り時に、歯の色も細かく画像として正確に記録するため、より美しい被せ物が作成できます。その他、インプラントを正確な位置に入れるための装置の作成や、矯正などにも使用できます。

口腔内スキャナーのその他のメリット

口腔内スキャナーのその他のメリット

当院で使用している口腔内スキャナー『TORIOS(トリオス)』では、以前の同種の機械では、歯の形を読み取るために、型採り前に、歯に粉を吹き付ける必要があったのが不要となり、型採り時の快適さが増しています。また、AIにより、画像処理の時間が早くなって、より短時間での型取りが可能です。
その他、従来の型どりで使用する印象材は完全には滅菌することができませんでした。しかし、この口腔内スキャナーでは、装置の先端を滅菌でき、歯と直接接触する材料がないため、感染対策の点からも有利です。
そして、製作の過程で消費される様々な材料が不要なため、地球環境に優しい、エコな装置でもあります。